都市科学部 建築学科 理工学部 建築都市・環境系学科
准教授 田中 稲子タナカ イネコ
常に、建物と人間の両面からアプローチすることで、
持続可能な居住環境づくり・まちづくりを目指している。
自然エネルギー利用を中心とする環境共生型の建築や都市に関わる研究と、居住者の健康や快適性に寄与する建築環境とその技術に関する研究を行っている。特に、都市問題として、ヒートショックや熱中症の発生リスクの高い郊外住宅地の高経年団地の課題や、都市に立地する保育施設の様々な建築環境の課題に対して実践的に取り組んでいる。
研究分野 - 分野
工学
研究分野 - 分科
建築学
研究分野 - 細目名
建築環境・設備

キーワード
環境建築 / 温熱環境 / 居住環境 / 子ども / 学校施設

相談に応じられるテーマ
建築物の温熱環境評価方法・環境計画 / 建築物のパッシブシステムの評価方法 / 住まい・まちに関する環境教育 / 乳幼児の成育空間(保育施設等)の建築環境計画 / 住宅のヒートショック予防策・熱中症予防策

所属
大学院都市イノベーション研究院
都市科学部 建築学科
理工学部 建築都市・環境系学科

E-mail
itanaka@ynu.ac.jp

研究概要

自然エネルギー利用を中心とする環境共生型の建築や都市に関わる研究と、居住者の健康や快適性に寄与する建築環境とその技術に関する研究を行っています。特に、都市問題として、ヒートショックや熱中症の発生リスクの高い郊外住宅地の高経年団地の課題や、都市に立地する保育施設の様々な建築環境の課題に対して実践的に取り組んでいます。建物の実測や社会調査、数値シミュレーションによってアプローチしながら、利用者・居住者にとって健康を損ねることなく快適な空間とはどのようなものか、このとき脱炭素や低環境負荷に繋がる技術の可能性はあるかを考究しています。

アドバンテージ

建物の室内環境や省エネルギー性は、建物自身の性能だけでなく利用者の環境調整行動の影響も強く受けることから、室内環境を評価しただけでは本来の建物性能を保証したことにはなりません。このため、現場実測においても数値シミュレーションのモデル構築においても、建物利用者のライフスタイルや環境調整行動の把握や再現を重視した研究方法をとっています。これらを応用して、建物利用者や居住者の住環境リテラシーの向上につながる学習プログラムの開発にも取り組み、小中学校の教育現場において活用されています。常に、建物と人間の両面からアプローチすることで、持続可能な居住環境づくり・まちづくりを目指しています。

事例紹介

・ 保育施設の建築環境評価と改善提案
1)保育施設の空気環境評価と改善提案(2019-)【図版①・②使用】
2019年の調査結果から、換気不足の施設に対して、実務家と連携して改善対策に取り組む(ネクスト・アーバン・ラボ「都市型保育施設の環境デザイン」として)。
2)保育施設の不燃繊維板による音環境改善効果の検証(2020-2021)(https://www.chiiki.ynu.ac.jp/report/47610c3f268b4d4deffa54386f5870739e0fc39b.html)。
・ 住まいのヒートショック予防に関する副教材の作成(2020)(https://danchisumai.wixsite.com/website)
 横浜市郊外に立地する高経年集合住宅における冬季の温熱環境調査(2015)の結果等を踏まえて、低断熱住宅が有する高齢居住者に対する健康リスクを低減するための住宅対策をまとめたもの。
・ 中学校における学校施設を活用した住環境学習プログラムの開発と支援 (2014-現在)(http://news-sv.aij.or.jp/shien/kodomo/s1/Juniorhighschool.html)
2008年から取り組むエコスクール(小学校)における住環境学習プログラムの開発と支援を踏まえ、中学生のPBLとして発展的に開発し支援も行う。
・ 有形文化財「セキスイハウスA型」の温熱環境調査 (2016)
・ 宮田村こうめ保育園+東保育園改修環境設計監修(2012)

主な所属学会

日本建築学会 / 人間-生活環境系学会 / 日本エネルギー環境教育学会

主な論文

・『都市部の保育施設の建築的特徴が保育者の窓開け行為と室内外環境評価に及ぼす影響に関する研究』・「人間と生活環境 27 ( 2 )」・2020年
・『大学教育研究施設の壁面緑化の利用者選好評価に関する研究』・「日本建築学会技術報告集 25 ( 61 )」・2019年
・『杉並区エコスクールにおける住環境学習プログラムの開発』・「日本建築学会技術報告集 17 (36)」・2011年

主な特許

特許第3389442号「建物の壁構造」

主な著書

「住まいの環境デザイン」放送大学教育振興会2018
「まち保育のススメ」萌文社2017
「環境教育用教材 学校のなかの地球」技報堂出版2007

主な研究機器・設備

恒温恒湿槽
模擬居間空間(多灯照明、調光機能付き準備室付き)
無響室(空調完備(消音、外気導入))

主な地域活動(国内、特に神奈川県内)

横浜市環境影響評価審査会委員
横浜市公共事業評価委員会委員
地域連携推進機構ネクスト・アーバン・ラボ「都市型保育施設の環境デザイン」代表