そのメカニズムに基づいた材料開発技術、
振動・運動制御装置の設計技術は世界トップレベルである。
大学院環境情報学府 人工環境専攻
理工学部 機械・材料・海洋系学科 機械工学教育プログラム
研究概要
機械および生体に対する振動の利用および低減について、以下のような研究を行っています。
■自動車、オートバイ、建築構造物などの振動・騒音の低減。
■磁気粘性流体を用いた高性能・高エネルギー効率な振動・運動制御用ダンパ、クラッチ、ブレーキの開発。
■医療応用を目指した、骨・軟骨・神経などの細胞の増殖・組織の再生に対する機械的振動の影響。
アドバンテージ
■磁場により見かけ上粘度が大きくかつ高速に変化する機能性流体である磁気粘性流体について、そのメカニズムに基づいた材料開発技術、振動・運動制御装置の設計技術は世界トップレベルです。
■薬剤を用いずに機械的振動による力学刺激を用いることで、骨・軟骨・神経などの細胞の増殖促進や組織の再生を目指す全く新しい技術に関する研究です。
■振動・騒音実験機器、細胞培養機器を所有し、機械工学および医工学の研究を研究室内で完了する設備が整っています。
事例紹介
高齢者からトップアスリートまで使用可能なマルチフィットネスマシン「スマートトレーナー」について、産学官連携、医工連携により共同研究・開発を行い、2011年に商品化に至りました。磁気粘性流体を用いたブレーキを開発することにより、磁場の制御のみで5~200キログラムという非常に広い負荷範囲を可能にし、かつマシンの小型化に成功しました。さらに、消費電力については、負荷源にモータを使った場合は数キロワットになるところを、本マシンでは50ワット程度、約100分の1に抑えることができました。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。 http://www.ynu.ac.jp/special/glocalreport/vol6/index.html
主な所属学会
日本機械学会 / 米国機械学会
主な論文
『磁気粘性グリースの基本的特性と可制御型ダンパヘの適用』「日
本機械学会論文集C編,77巻,778号,pp.2193-2200」2011.
『神経幹細胞の増殖および分化に対する機械的振動の影響』「日本機械学会第21回バイオエンジニアリング講演会講演論文pp.121- 122」2009.
『ペーパ系摩擦材を用いた湿式摩擦機構における摩擦振動に関する研究』「日本機械学会機械力学・計測制御部門講演会講演論文集#116」2008.
『培養骨芽細胞に及ぼす機械的振動の振幅および振動数の影響』
「日本機械学会機械力学・計測制御部門講演会講演論文集#233」 2007.
『MRダンパを設置した実物大建築構造模型のニューラルネットワークによる制振』「日本建築学会構造工学論文集,52巻,B号,pp.261-266」2006.
主な特許
特許第5598854号「トレーニングシステム」
特許第5548960号「磁気粘性グリース組成物」
主な著書
「超音波テクノ(分担:振動数による細胞増殖速度変化の超音波治療への応用)」日本工業出版 2008.1-2.
「Biomedical Applications of Vibration and Acoustics(分担 Effects of Mechanical Vibration on Cultured
Osteoblasts inRelation to Fracture Healing)」ASME Press 2008.