理工学部 化学・生命系学科 化学教育プログラム
教授 大山 俊幸オオヤマ トシユキ
高分子材料(エンプラ・熱硬化性樹脂など)の高性能化・高機能化の研究を行っている。様々な研究事例があり、電子デバイス・構造材料などの高性能化、高機能化が期待されている。
高分子であるが故の特性(高分子性)に基づく機能の発現を目指した研究を行っている。1.市販のエンプラなどに感光性を付与する新原理「反応現像画像形成(RDP)」の開発、2.改質剤のその場重合などを利用した熱硬化性樹脂の強靭化・高性能化、3.高分子ならではの機能を発現する合成ポリマーの開発、などを主な研究テーマとしている。
研究分野 - 分野
化学
研究分野 - 分科
複合化学
研究分野 - 細目名
高分子化学

キーワード
高性能・高機能高分子 / 新規感光性エンプラ / 高性能熱硬化性樹脂 / 新規機能性ポリマー

相談に応じられるテーマ
新規感光性エンプラ(感光性ポリイミドなど)の開発 / 市販エンプラなどへの簡便な感光性の付与 / エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の強靭化 / 高性能熱硬化性樹脂の開発 / バイオマス由来熱硬化性樹脂の開発 / 新規機能性ポリマーの開発

所属
大学院工学研究院 機能の創生部門
大学院理工学府 化学・生命系理工学専攻 先端化学ユニット
理工学部 化学・生命系学科 化学教育プログラム

E-mail
oyama-toshiyuki-wz@ynu.ac.jp
ホームページ

研究概要

高分子であるが故の特性(高分子性)に基づく機能の発現を目指した研究を行っています。主なテーマは以
下の通りです。
1.市販のエンプラなどへの簡便な感光性付与についての新原理「反応現像画像形成(RDP)」の開発(図1)
2.改質剤のin situ重合を利用した熱硬化性樹脂の強靭化など、高性能熱硬化性樹脂の開発(図2)
3.高分子ならではの機能を発現する合成ポリマーの開発
特に、「1」および「2」のテーマを中心に企業の方などからのご相談に応じることが可能です。

アドバンテージ

1.感光性エンプラについては、従来の感光性ポリイミドとは異なり、特別な細工を施していない市販のポリイミドに感光性を付与することが可能であり、かつ従来の感光性ポリイミドを上回る感度を実現できます。ポリイミド以外のエンプラ(ポリカーボネートなど)や、ポリエステル、ビニルポリマーなどヘの感光性付与も可能です。
2.熱硬化性樹脂の硬化時に、硬化系中で改質剤モノマーの重合をおこなう「in situ重合法」を用いることにより、他の物性を低下させることなく樹脂の強靭化を行うことが可能です。次世代パワーデバイス用半導体封止材料などへの応用を目指した、高性能熱硬化性樹脂の研究も行っています。

事例紹介

感光性エンプラについては、半導体チップのバッファーコートや層間絶縁膜などのエレクトロニクス実市販のエンプラなどに感光性を付与できる「反応現像画像形成(RDP)」によって形成した微細パターンのSEM画像(図1)、および熱硬化性樹脂の硬化系中で改質剤モノマーの重合をおこなう「in situ重合法」により強靭化した樹脂硬化物のTEM画像(図2)を示しています。

図1市販エンプラ(ポリイミド)を用いて作製した微細パターンの電子顕微鏡画像
図2In situ重合法により強靭化したエポキシ樹脂硬化物の相分離構造

主な所属学会

日本化学会 / 高分子学会 / アメリカ化学会

主な論文

『Curing acceleration of cyanate ester resin by a phenolic compound having a tertiary amino group at the ortho-position』「Polymer Journal, 52, 1245–1252」 2020/6
『改質剤ポリマーのin situ生成による相容性向上に基づく熱硬化性樹脂の強靭化』「ネットワークポリマー論文集,41, 26-38」2020/1
『Photosensitive engineering plastics based on reaction development patterning』「Polymer Journal, 50, 419–429」2018/6

主な特許

特開2020-34888「感光性樹脂組成物及び微細パターンの製造方法」
特開2023-069539 「化合物、エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂硬化物」
特開2021-066759 「熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物」
特許第7205843号「エポキシ樹脂の製造方法」
特許第6240471号「反応現像画像形成法」

主な著書

「刺激応答性高分子ハンドブック」(分担)エヌ・ティー・エス,2018
「耐熱性高分子材料の最新技術動向」(監修)シーエムシー出版,2018
「元素ブロック材料の創出と応用展開」(分担)シーエムシー出版,2016

主な研究機器・設備

動的粘弾性測定装置(DMA)
走査型電子顕微鏡(SEM)
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)