完全強度回復を達成することができる材料で、
既存の材料とは一線を画した高い機械的信頼性を発揮する。
先端科学高等研究院超高信頼性自己治癒材料研究ユニット
理工学府 機械・材料・海洋系工学専攻
理工学部 機械・材料・海洋系学科 材料工学分野
研究概要
自己治癒材料をはじめ稼働中に化学反応を積極的に活用することで動的な機能を発現する次世代の構造・機械材料の開発を行っています。自己治癒材料の開発は、使用する環境、最も間題となっている破壊機構を知り、最適な化学反応の選定および反応物質の配置が必要となります。このため、実使用部材の破損解析やそれを基にした使用材料の改善に関する研究も実施しております。さらに、化学反応を用いた表面改質、特に、鋼の浸炭、窒化等の熱処理に関する研究も実施しています。
アドバンテージ
当研究室で開発している自己治癒セラミックスは、世界中で開発されている自己治癒材料の中でも唯一、完全強度回復を達成することができる材料です。この特性により、部材の構造健全性をアクティブに確保することができ、既存の材料とは一線を画した高い機械的信頼性を発揮します。また、世界に先駆けてこのようなアクプィブに確保される構造健全性の概念を提出していることから、このような特性を発現する材料の開発およびそれらを用いた部材設計指針に関してはどのような世界的な研究拠点以上のノウハウを有しています。
事例紹介
・次世代ジェットエンジン用セラミックスタービン翼の開発
(JST 戦略的創造研究推進事業先端的低炭素化技術開発(ALCA))
・自己治癒性を有する構造部材の開発
・耐火物構造体の熱衝撃破壊解析
・鋼の新規熱処理技術の開発および脱炭抑制技術の開発
主な所属学会
日本機械学会 / 日本金属学会 / 耐火物技術協会 / 日本ばね学会 / 日本セラミックス協会 / 日本MRS / アメリカセラミックス協会
主な論文
『自己治癒セラミックスの材料設計指針』「耐火物」2015.9
『Methodology to evaluate availability of self-healing agent for structural ceramics』「Journal of Intelligent Material Systems and Structures」2013.6
『Design optimization of capsule-type micro actuator utilizing hydrogen storage alloys』「Transaction of Materials Research Society Japan」2014.2
『自己治癒セラミックスの拓く構造用セラミックスの新機軸』「FCレポー
ト」2014.3
『ジェットエンジン用タービン翼を目指した自己治癒セラミックスの開発』「金属」2013.12
主な特許
特許第5788309号「自己治癒能力を有する長繊維強化セラミックス複合材料」
特許第5152837号「表面硬化高強度セラミックス及びその製造方法」
特許第4481118号「高結晶性窒化アルミニウム積層基板の製造方法」
特許第4117402号「単結晶窒化アルミニウム膜およびその形成方法,Ⅲ族窒化物膜用下地基板,発光素子,並びに表面弾性波デバイス」
主な著書
「最新の自己修復材料と実用例」シーエムシー出版 2010
「Advances in ceramics matrix composite」Woodhead Publishing 2014
「Advanced in Ceramics―Charactorization, Raw Materials, Processing,Properties Degradation and healing―」Intech 2011
「Properties and applications of ceramic composites containing silicon carbide whiskers」Intech 2011
「Self-Healing Materials fundamentals, design, strategies,and applications」WILEY-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA 2008.11