理工学部 化学・生命系学科 化学教育プログラム
教授 川村 出カワムラ イズル
固体核磁気共鳴(NMR)分光法を駆使して
タンパク質やバイオマスの立体構造解析を進め、
タンパク質工学や資源循環技術への展開を目指している。
固体NMR分光法は試料状態に依存することが少なく、難解な生体分子の立体構造解析に有効な手法である。コーヒー粕などの食品・農業廃棄物からのセルロースナノファイバーの生成と構造解析の研究も行っている。
研究分野 - 分野
生物学
研究分野 - 分科
生物科学
研究分野 - 細目名
構造生物化学

キーワード
セルロースナノファイバー / ナノポアペプチド / 膜タンパク質 / 固体 NMR 分光法

相談に応じられるテーマ
固体NMRを用いた生体分子の構造解析 / 固体NMRによる物質・材料の構造解析

所属
大学院工学研究院 機能の創生部門
大学院理工学府 化学・生命系理工学専攻
理工学部 化学・生命系学科 化学教育プログラム

E-mail
kawamura-izuru-wx@ynu.ac.jp
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研究概要

固体核磁気共鳴(NMR)分光法は試料状態に依存することが少なく、難解な生体分子の立体構造解析に有効とされている手法です。固体NMR法を駆使してタンパク質やバイオマスの立体構造解析を進め、タンパク質工学や資源循環への展開を目指しています。

アドバンテージ

膜タンパク質の発現・精製、生体膜試料の基本的な取り扱い、及び固体NMR分光法を利用したタンパク質の構造解析について深い技術と知識を有しております。そのため、近年注目されている膜タンパク質や単一分子のラベルフリー検出が可能なナノポアペプチドの立体構造解析方法に精通しています。また、食品・農業廃棄物からのセルロースナノファイバーの生成と構造解析の研究成果があり、廃棄物から資源に変換するバイオマスの構造・物性に関する研究を行うことができます。 

事例紹介

(1) 高磁場固体NMRを用いた細胞膜中での微生物型ロドプシンの立体構造決定
(2) In-situ光照射固体NMRの開発とロドプシンタンパク質のレチナール光異性化と光中間体の検出
(3) ナノポアペプチド・抗菌ペプチドの膜結合構造解析
(4) コーヒー粕およびホップ蔓からのセルロースナノファイバーの生成と構造解析
(5)蛍光発色団を有するペプチドの自己組織化とナノバイオ材料の構築

主な所属学会

日本生物物理学会 / 日本核磁気共鳴学会 / 日本化学会

主な論文

『De Novo design of a Nanopore for Single-Molecule Detection that Incorporates a β-hairpin peptide』 「Nature Nanotechnology 10.1038/s41565-021-01008-w」 2021
『Upcycling of waste hop stems into cellulose nanofibers: isolation and structural characterization』
「ACS Agric. Sci. Technol. 1, 347-354」 2021
『Structure of a retinal chromophore of dark-adapted middle rhodopsin as studied by solid-state nuclear magnetic resonance spectroscopy』 「Biophysics and Physicobiology. 18, 177-185.」 2021
『Stereochemical effects on the self-assembly of pyrenylalanine-phenylalanine dipeptide』
「Bull. Chem. Soc. J. 93, 969-977.」 2020

主な特許

特願2017-153123, 特許番号6886657 「QCMを用いた香料調製物の評価方法」

主な著書

“セルロースナノファイバー研究と実用化の最前線”
“第1編 第2章 第5節 農業廃棄物からのセルロースナノファイバー製造” pp.155-161. NTS出版 2021年11月発刊
膜タンパク質工学ハンドブック
第1編 第2章 10. 固体高分解能NMRによる膜タンパク質の立体構造解析, NTS出版 2020年4月

主な研究機器・設備

マイクロ波アシスト型ペプチド合成機,固体NMR分光計,レオメータ