都市農業での地産地消の可能性を追求するための農産物の鮮度情報の可視化や、
地域経済の動向の具体的な解析を目指している。
国際社会科学学府 経済学専攻
経営学部
ダイバーシティ戦略推進本部男女共同参画部門
地域実践学環
総合高等研究院 共同研究者
研究概要
地域農業や地域経済に関する研究を進めています。都市農業での地産地消の可能性を追求するなかで、鮮度情報の可視化ができないか試行錯誤しています。農産物が収穫された場所・時間に関する情報を収集し、その解析を進めています。また、企業ビッグデータの解析を通じて、企業の取引構造が地域経済に与える影響について検証しています。たとえば、域内から仕入れて、域外に多く販売するような企業の取引構造が実際に地域経済を活性化させる効果があるのかどうかを明らかにしようとしています。
アドバンテージ
生産者と消費者のつながりを空間データとして取り扱い、GIS(地理情報システム)を用いて、近接性や取引ネットワークを可視化させることで、より実態に即した分析を可能としています。また、企業ビッグデータ((株) 帝国データバンクとの共同研究)を用いて、これまで十分明らかにされてこなかった地域経済の動向をより具体的に、より可視的に、解析できるように研究しています。
事例紹介
農産物の鮮度情報を収集・提示するために、共同研究者の協力を得て「ベジミル」という可視化ツールを開発しました。研究は得られたデータの解析によって行われますが、そのためのデータ収集も大きな課題です。「ベジミル」を通じて、新たなデータ収集プロセスも追究しています。また、企業ビッグデータの活用によって、ある地方都市に立地する企業群の取引関係を解析した結果、その地域経済の産業特性が浮かび上がったり、立地企業同士での取引実態が明らかになったりしました。
主な所属学会
日本農業経済学会 / 日本地域経済学会 / 政治経済学・経済史学会
主な論文
池島祥文「リアルデータの追跡を通じた地産地消の近接性測定」『地域経済学研究』44、2023年、pp.43-58。
池島祥文「企業の取引構造に基づいた地域経済のマネーフロー解析」『地域経済学研究』42、2022年、pp.3-19。
主な特許
池島祥文「地産地消の空間分析と農業・食料ネットワークの展開」冬木勝仁・岩佐和幸・関根佳恵編『アグリビジネスと現代社会』筑波書房、2021年、pp.79―98。
池島祥文『国際機関の政治経済学』京都大学学術出版会、2014年。
主な地域活動(国内、特に神奈川県内)
箱根町観光まちづくりの充実・維持に係る財源のあり方に関する検討会議委員(箱根町)
箱根町行財政改革有識者会議委員(箱根町)
横浜みどりアップ計画市民推進会議委員(横浜市)