理工学部 化学・生命系学科
准教授 飯島 一智イイジマ カズトシ
分子デザイン、バイオミネラリゼーションを模倣したプロセスによる
バイオミネラルの作製、複合化、マイクロ流体技術などを用いた
工学的アプローチにより、高機能な材料を創生できる。
多糖などやペプチドなどの生体高分子や合成高分子、及び無機物を複合化させた細胞足場材料を開発し、組織・臓器の再生を目指している。また、それらの技術を応用した動物実験代替法の開発にも取り組んでいる。
研究分野 - 分野
複合領域
研究分野 - 分科
人間医工学
研究分野 - 細目名
生体医工学・生体材料学

キーワード
再生医工学 / 高分子化学 / 有機 - 無機複合材料 / 組織工学 / 動物実験代替法

相談に応じられるテーマ
材料の細胞機能評価 / 材料表面の修飾、機能化 / 動物実験代替法

所属
大学院工学研究院 機能の創生部門
大学院理工学府 化学・生命系理工学専攻
理工学部 化学・生命系学科

E-mail
iijima-kazutoshi-mh@ynu.ac.jp
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研究概要

根本的な治療法のない重篤な疾患に対する新たな治療法として再生医療が注目を集めています。再生医療の達成にはiPS細胞などの幹細胞技術とともに、細胞足場材料の開発が必要不可欠です。多糖などやペプチドなどの生体高分子や合成高分子、及び無機物を複合化させた細胞足場材料を開発し、組織・臓器の再生を目指します。また、それらの技術を応用した動物実験代替法の開発にも取り組んでいます。

アドバンテージ

(1)高分子化学を基盤とした分子デザイン、(2)生物がミネラルをつくるバイオミネラリゼーションを模倣したプロセスによるヒドロキシアパタイトをはじめとするバイオミネラルの作製、(3)それらの複合化およびマイクロ流体技術などを用いた工学的アプローチにより、高機能な材料を創生することができる。

事例紹介

(1)多糖などやペプチドなどの生体高分子やポリエチレングリコールなどの合成高分子を組み合わせた新規ハイドロゲルを用いた間葉系幹細胞からの膝軟骨の再生
(2)ヒト血しょうの無機イオン組成を模倣した溶液である擬似体液(SBF)を用いた高分子材料表面へのヒドロキシアパタイト複合化と細胞足場としての利用
(3)動物を用いないナノマテリアルの免疫毒性評価法の開発
(4)より生体に近い人工皮膚モデルの開発

(左)軟骨再生足場、(中央)多糖複合フィルム、(右)多孔質ヒドロキシアパタイト

主な所属学会

日本化学会 / 高分子学会 / 日本動物実験代替法学会

主な論文

『Preparation of cell-paved and -incorporated polysaccharide hollow fibers using a microfluidic device』「ACS Biomater. Sci. Eng.」2019.2
『Selective fabrication of hollow and solid polysaccharide composite fibers using a microfluidic device by controlling polyion complex formation』「Polym. J.」2018.12
『生体模倣プロセスを用いたペプチド-ヒドロキシアパタイトナノハイブリッドの作製』「Acc. Mater. Surf. Res.」2018.1
『Control of cell adhesion and proliferation utilizing polysaccharide composite film scaffolds』「Colloids Surf. B」2017.9

主な著書

「ドラッグデリバリーシステム」シーエムシー出版 2018
「手術用シーラント材・癒着防止材の利便化向上を目指した製品開発」技術情報協会 2016
「生体適合材料・医療用プラスチック~材料の設計・開発から成型加工まで~」情報機構 2014

主な研究機器・設備

細胞培養器具内蔵 クリーンベンチ
リアルタイムPCR
フローサイトメーター