ナノからマイクロオーダー細孔をもつ機能性固体の
作製・応用に関する研究を行っている。
大学院理工学府 化学・生命系理工学専攻
理工学部 化学・生命系学科
研究概要
ナノからマイクロオーダー細孔をもつ機能性固体の作製・応用に関する研究を行っています。主なターゲットは金属基材に無機系機能材料を組み込んだ新しいセラミック―金属複合構造の分離膜です。従来の無機分離膜に比べ各種金属製装置への導入が容易でシール性も高く、無機分離膜の工業利用範囲が大きく広がります。特定のガスの選択透過性をもつ分離膜の作製と膜反応器の開発、気固反応を利用したケミカルヒートポンプの固体の開発と反応特性の解析なども行っています。高温の反応をあつかうエネルギー関連の反応プロセス、熱化学プロセスへの応用がターゲットです。
強風域(海外を視野)における風力―水素ファームに関する研究を高精度風況測定から始め、計測機器メーカー、気象協会、海外大学や海外エネルギー企業と協力して検討しています。水素製造プロセス全般の相談、及び、エネルギー管理やエネルギー管理士教育に関する相談に応じられます。
アドバンテージ
新しいセラミック―金属複合膜は従来の無機分離膜全般に利用できる手法です。加工性から応用が困難であった無機系分離膜の応用に期待できます。
気固系ケミカルヒートポンプの固体反応物の反応性(高温での繰り返し使用)は他の研究グループと比較してもトップクラスです。蓄熱システムや熱利用反応システムでの応用に期待できます。
風力―水素はグリーン水素の第一候補です。ワールドワイドな視点で海外大学・企業とSDGsを目指します。
事例紹介
・水蒸気選択透過性をもつチタニア・ステンレス複合分離膜
・膜分離反応機器を利用したコンパクトな水素製造装置
・高温プロセスの負荷平準システムとしてのヒートストレージ
・マイクロプロセスの膜分離ユニット
・反応と分離を伴う化学プロセスのエネルギー解析
・グリーン水素のための風力−水素ファームの検討
主な所属学会
化学工学会 / 水素エネルギー協会 / 日本エネルギー学会
主な論文
『Estimation of Wind-Hydrogen Energy in Strong Wind Areas based on High Precision Wind Condition
Observation Data』「The 22nd World Hydorogen Energy Conference Rio de Janeiro P3-14」(2018.6).
『Decarbonation and Pore Structural Change of Ca-Solid Reactant for CaO/CO2 Chemical Heat Pump』
「Journal of Chemical Engineering of Japan, vol.41 (6) pp.513-518」2008.6
『Experimental and theoretical comparison of two types of hydrogen-permselective membrane reactor for
methane steam reforming』「Journal of the Hydrogen Energy Systems Society of Japan, vol.33 (2) pp.30-37」2008.4
主な著書
「新編 化学工学の基礎」朝倉書店 2016.10
「水素の事典」朝倉書店 2014.4
「エクセルギー工学―理論と実際」共立出版 1999.2