野外調査と数理モデル作成を行っている。
環境情報学府 自然環境専攻
都市科学部 環境リスク共生学科
研究概要
応用分野は都市における自然環境と生物多様性、外来生物への対応ポリシーなど。詳細は下記にて。基礎的な分野では群集の予測を研究しています。特に空間的な異質さとの関連に興味があります。空間的な異質さのスケールとしては、数メートルから数十メートル程度の個体やそれ以下の小さなスケールの研究と(林冠構造)、数百メートルから数キロメートル程度の大きな空間スケール(地域の景観)の両方を同時に研究しています。このなかで個体以下の空間スケールでは、林冠構造を調べるための林冠トモグラフィを開発して現状把握をしました。これを用いて動物の活動も含めた林冠の生物的な過程を明らかにし、特に植物(特に樹木)の個体の発達のシミュレーションモデルを用いて植物どうしの相互作用を研究しています。大きな空間スケールでは、都市近郊や農村、複雑な地形での分断されたハビタットでの生物の生活を調べています。特にこの空間スケールでは種子散布による移住が重要であり、種子散布の統計モデルを作成しています。このような基礎研究に基づき、丘陵地に点在する湧水湿地での食虫植物の保全策や、森林種を保全できる都市内の森林の空間配置、外来のアライグマの分布拡大予測、外来種・遺伝子組み換え生物の事前の侵入リスク評価、市民参加による地域の自然の評価事業の企画、などの研究を行っています。
https://er-web.ynu.ac.jp/html/KOIKE_Fumito/ja.html
アドバンテージ
基礎研究と応用分野の両方に意義のあるテーマの研究をめざしています。
野外調査と数理モデル作成をともに行っています。
事例紹介
指標種のマッピングによる環境評価地図の作成
主な所属学会
日本生態学会 / 種生物学会 / イギリス生態学会(British Ecologic l Society) / 日本植物分類学会 / 日本熱帯生態学会
主な論文
Koike, F. and Iwasaki, K. 2011. A simple range expansion model of multiple pathways: the case of nonindigenous green crab Carcinus aestuarii in Japanese waters. Biological Invasions 13: 459-470.
Forecasting the range expansion of a recolonizing wild boar Sus scrofa population (Saito, M., Koike, F., Momose, H., Mihira, T., Uematsu, S., Ohtani, T., Sekiya, K.) Wildlife Biology 18巻 (頁1-10 ))2012
里山の指標種ワレモコウの遺伝的変異(佐伯いく代,小池文人,飯田晋也,小林慶子,平塚和之)緑化工学会誌 38巻 1号 (頁115-120 )2012
指標植物を用いた長距離トランセクト法による関東地方周辺における広域の里地里山評価(菅原 のえみ・小池 文人) 保全生態学研究17巻 (頁15-24) 2012
主な著書
生態系の暮らし方 ―アジア視点の環境リスクマネジメント― 東海大学出版会 2012.03
Assessment and Control of Biological Invasion Risks (Clout, M. N., Kawamichi, M., De Poorter, M. and Iwatsuki, K.) SHOUKADOH Book Sellers and IUCN 2006
「生態学の視点から:都市近郊の里山の生態系と管理」pp.105-117. 武内和彦・佐土原聡(編)『持続可能性とリスクマネジメント 地球環境・防災を融和したアプローチ』国際書院(頁105-117) 2012.12