構造性能評価までを一貫して行っている。また、
在来軸組構法や枠組壁構法、伝統的構法など、木造全般を研究の対象としている。
理工学部 建築都市・環境系学科
都市科学部 建築学科
研究概要
木造建築物の構造・材料の強度や耐久性に関する研究を行っています。
耐力壁や接合部を対象とした構造実験、材料試験、また、これらの結果を用いた木造建築物の構造解析により、既存建築物の耐震診断・耐震補強や新築の構造設計、新しい工法の開発等に貢献しています。最近は、各部材の耐久性が木造建築物の構造性能に及ぼす影響についての研究も進めています。
アドバンテージ
木材の材料強度特性は複雑なので、木造建築物の構造性能をシミュレーションだけから評価することは難しく、実験による検証が必要不可欠です。本研究室では、木造建築物に関する構造実験、材料試験から構造解析、構造性能評価までを一貫して行っています。また、在来軸組構法や枠組壁構法、伝統的構法、CLTパネル工法など、木造全般を研究の対象としています。
事例紹介
・筋かい耐力壁の構造実験・解析・性能評価
筋かい金物やそれを留めるビスに着目し、筋かい耐力壁の耐震性能への影響を評価しました。また、筋かいと柱との接合部の解析モデルを提案し、金物やビスの荷重-変位関係を用いて、筋かい耐力壁の荷重-変形角関係のシミュレーションを可能にしました。
・通気構法モルタル外壁の構造実験・解析・性能評価
木造住宅を対象とした通気構法モルタル外壁の構造実験を実施し、耐震性能を評価しました。適切に施工されたモルタル外壁は、筋かいや構造用合板と同等の耐震性能を有することが確認されました。今後は、耐久性の評価も行っていきます。
・高減衰ゴムを用いた制震デバイスの開発・構造実験・解析・性能評価
中高層建築物用の免震支承に用いられてきた高減衰ゴムを使った制震デバイスを木造建築物用に開発し、実用化に向けた性能検証実験や、応答低減効果の検証を行っています。
主な所属学会
日本建築学会
主な論文
『L形筋かい金物を用いた引張筋かい耐力壁の復元力特性の評価に関する研究』「日本建築学会構造系論文集」2019.11
『開口を有する軽量モルタル塗り通気構法外壁のせん断耐力評価』「日本建築学会構造系論文集」2017.3
『高減衰ゴムを用いた木造戸建て住宅用パッシブダンパーの開発』「日本建築学会技術報告集」2012.10
主な研究機器・設備
木造耐力壁のせん断加力試験機
万能試験機