
経営学部 経営学科
総合学術高等研究院
先進実践学環
研究概要
私の研究は、企業の販売・マーケティング活動がどれだけの利益を生み出しているかを、会計情報の視点から明らかにするものです。特に、中小企業における会計情報の活用実態を定性調査(インタビュー、事例研究、文献レビューなど)により深掘りし、実務で使える仕組みづくりを目指しています。これにより、経験や勘に頼りがちな経営判断を、データに基づいた合理的な意思決定へと導き、その結果に対する会計責任の所在を明確にします。さらに、中小企業の事業承継やデジタル化といった社会的な課題を解決するためのツールとして、管理会計がどのように貢献できるかについても研究を進めています。
アドバンテージ
私の研究は、企業の販売・マーケティング活動がどれだけの利益を生み出しているかを、会計情報の視点から明らかにするものです。特に、中小企業における会計情報の活用実態を定性調査(インタビュー、事例研究、文献レビューなど)により深掘りし、実務で使える仕組みづくりを目指しています。これにより、経験や勘に頼りがちな経営判断を、データに基づいた合理的な意思決定へと導き、その結果に対する会計責任の所在を明確にします。さらに、中小企業の事業承継やデジタル化といった社会的な課題を解決するためのツールとして、管理会計がどのように貢献できるかについても研究を進めています。
事例紹介
私の研究事例を2つご紹介します。
【事例1:通信販売における広告効果の可視化】
<事例の概要>テレビCMなどのダイレクトレスポンス広告による新規顧客獲得活動を事例に、その費用対効果を会計情報から分析しました。特に、無料のお試しセット請求といった広告に直接反応する「レスポンス数」と、その後の本製品購入に至る「成約数」を分けて評価する手法に着目しました。
<事例の考察>レスポンス数だけでなく、最終的な販売成約までを追跡し、「成約単価(顧客1件獲得にかかる広告費)」という指標で評価することの重要性が明らかになりました。これにより、単発的な広告効果だけでなく、長期的な収益貢献度を測定可能になり、マーケティング活動が「投資」として評価できることを示しました。
【事例2:ファミリービジネスの事業承継と管理会計】
<事例の概要>老舗中小企業の事業承継プロセスを事例として、後継者がどのように管理会計を導入・活用したかを分析しました。特に、事業承継を機に、経験と勘に頼っていた経営を、データに基づいた合理的な意思決定へと転換した過程を追いました。
<事例の考察>事業承継という経営者の交代が、組織の構造変革をもたらし、結果として管理会計システムの導入を加速させる契機になることが分かりました。また、創業家出身の後継者であっても、外部での経験や自己研鑽を通じて、積極的に管理会計を導入し、組織全体のDXを推進できる可能性を示しました。
主な所属学会
日本会計研究学会 / 日本原価計算研究学会 / 日本管理会計学会
主な論文
「包括的なマーケティング業績測定システムとしてのBSCの活用」『横浜経営研究』2025(共著).
「ファミリービジネスにおける管理会計の導入と実践―老舗中小企業の事業承継を事例として―」『産業經理』2020(共著).
「通信販売における注文獲得費の投入産出関係の測定」『横浜国際社会科学研究』2011.
主な著書
君島美葵子「電子商取引の発展と営業費会計の変容」(中村博之・高橋賢編著『管理会計の変革― 情報ニーズの拡張による理論と実務の進展』第5章所収. 中央経済社 ISBN:9784502488801)2013年.